浄土宗北米開教の歩み
浄土宗の北米開教は1936年にハワイ開教区開教師であった野崎霊海師をロサンゼルスに送り開教活動を開始した。しかし、1041年の太平洋戦争勃発に布教活動は一時停止された。戦後布教活動が再開され、ロサンゼルス市西ジェファーソン街2003に新たな教会所を構えた。1950年10月、大本山増上寺法主椎尾○○台下を迎えて入仏式が営まれた。北米開教35周年にあたる1972年には、浄土門主岸信宏猊下を迎え、浄土宗の開宗800年と併せた記念慶讃法要を営んでいる。
1980年代に入り寺院周辺の治安状況の変化に伴い寺院移転計画が浮上、ロサンゼルス・ダウンタウンのリトルトーキョー東三番街442(現在地)の新たに寺院を建立する事業が開始され、浄土宗教育師団佛教大学から土地購入及び建設費の多くの出資を受けて新寺院を落慶した。新寺院は1階に「佛教大学ロサンゼルス校」をもち、教学両輪を備え、その本堂には、小岩井秀鳳画伯寄贈のアメリカ合衆国花並びに日本国花を描いた天井絵が備えられた。1992年6月28日には浄土門主中村康隆猊下を迎え落慶式が盛大に勤められた。
1995年からは、日本の浄土宗僧侶を対象に他宗教の教会・福祉施設訪問、ホームステイ等を通じて広くアメリカの宗教事情・文化を学ぶ研修プログラム「浄土宗ロサンゼルス・セミナー」が開催された。本セミナーはこれまでに計8回開催され、述べ40名の浄土宗僧侶が参加、修了者のうち5名が開教師としてハワイ・北米に赴任している。1996年秋には、佛教大学ロサンゼルス校主催の第一回学術シンポジウムに際し、ハワイ・ブラジルより開教師多数並びに浄土宗当局をロサンゼルスに招き、浄土宗三海外開教区開教使研修会が開催された。1997年からは北米開教60周年記念事業として日本よりの団体参拝を募集、日本全国より多くの教区・寺院が新寺院を参詣した。
本年は浄土宗の北米開教70周年にあたり、1992年にリトルトーキョーに新寺院を落慶してからは15年を数える。今回の70周年記念法要厳修に備え、今春より檀信徒の特別寄進による館外整備事業に着手、新たな境内庭園が完成された。また、今夏には佛教大学ロサンゼルス校から浄土宗教学の基本となる『法然上人御法語』の英訳書が刊行された。1992年の落慶以来、教学両輪を備えた寺院として檀信徒に対する宗教活動・浄土宗僧侶の研修事業、アメリカ社会への知的貢献である学術書刊行が行われてきた。今回の70周年記念法要は、浄土宗の今後のさらなる檀信徒教化・開教活動の充実並びに宗門人材育成事業の活性化を図る上で大きな節目であり、4年後に迫った「法然上人八百年大遠忌」の北米での礎となる。


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